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産後ケア事業

産後ケア事業とは

産後ケア事業は2014年度、妊娠から子育て期までの切れ目ない支援をする国の「妊娠・出産包括支援モデル事業」として始まりました。実施主体は市町村の公的事業です。産後に家族から育児・家事支援が得られない。体の回復が遅れて休養が必要。母乳育児がうまくいかない等の育児不安など心身のサポートが必要な母親と赤ちゃんを対象に助産師等が指導や専門的ケアを行います。本制度は18年前に公的事業化され、助産院が受託施設となり鈴木助産院も委託されました。当時の形態は宿泊型のみで一日1万8千円と委託料は低額で人件費もまかなえず、さらに利用者負担割は半額と高く利用者、受託施設にとって魅力に欠けていました。経済的対価が乏しく受託施設である助産院は次々に減り、17年間継続できたのは全国的に数カ所となっていました。当院も最後まで実施し17年間103人、延べ879人利用。全国でも利用者が多かったほうです。しかし自然消滅しかかった本制度ですが息を吹き返しました。核家族化や少子化が進み、虐待や産後うつ等が深刻になったことから、国は2014年度に本事業をリニューアルし、本格的に稼働したのです。

当助産院の特長

産後ケア事業の一般的な実施形態は ①宿泊型(ショートステイ)②日帰り型(デイケア)③訪問型(アウトリーチ型)の3形態です。

当助産院の産後ケア

  • デイケア型(日帰り)です。ただご希望により①の宿泊型(ショートステイ)のご相談に応じます。
  • 多くの施設がレスパイト(休養)が中心ですが、当院は休養だけでなく母乳育児のサポートに重点を置いています。
  • 昼食はママの嗜好やアレルギー、乳房の状態に応じすべて助産師の手作りです。食材はできるだけ自然で添加物や農薬に汚染されていないものを使用しています。
  • 公的事業が主ですが該当外(実施していない市町村や県外からの里帰り等)の場合は自費でもお受けしています。
当助産院デイケアの流れ

9時30分~10時 (来所時間)

問診・ケアプランの作成

ママと赤ちゃんの健康状態をお伺いします。

来院時 最初に利用目的をおうかがいます

①休養(レスパイト)
②休養と授乳指導等の母乳育児のサポート
③授乳等の母乳育児のサポートが主
④育児の一般的なことの指導を希望
⑤食事 アレルギー・嗜好(好き嫌い)
⑥その他 希望するご利用時間

10時~11時

一回目の授乳指導またはレスパイト

11時~12時30分

レスパイト(休養)

授乳が終わりましたらお部屋でお休みください。赤ちゃんはご希望によりお預かりする事もできます。

12時30分~14時

昼食・休憩

14時~14時30分

赤ちゃんのおふろ(ご希望により)

14時30分~16時 

二回目の授乳指導・乳房ケアまたはレスパイト

面談でこれからのことを話し合います。

16時~17時30分

休養(レスパイト)・帰宅

時間はあくまでも目安です。来所時間は午前中ご都合のつく時間でもよいです。授乳指導をご希望される場合は授乳時間前にお越しください。帰宅時間はご利用者の都合により調整ができます。具体的な内容につきましては動画をご覧ください。

お持ちいただくもの

  • 母子手帳(手元にある場合)
  • ガーゼタオルまたは小さなタオル(授乳時)
  • 混合栄養の場合は人工乳と哺乳瓶
  • お洋服2セット(沐浴時の着替え)
  • フェイスタオル3枚(白色 薄くて新しくないほうが良いです)
  • 赤ちゃんのバスタオルまたはおくるみ
  • おむつ10枚程度・おしりふき
  • ママのパジャマ(必要により)
公的事業の場合(市町村委託)

どんな時に利用できるか

  • 産後、家族から育児・家事支援が得られない
  • 身体の回復が遅れて休養が必要(レスパイト)
  • 母乳育児がうまくいかない等の育児不安がある
  • 産後精神的にうつ状態になって子育てが辛い(産後うつ病のリスク度を判定する質問票が高い)
  • その他市町村長が認める場合

費用と利用回数、利用時間 利用期間

  • 利用者費用負担は一般的には1~2割が多いです。2,000円
  • 利用回数は7回まで
  • 利用時間 AM9時30分~17時30分 利用者様のご希望により時間は調整可
  • 利用期間は生後2~4か月までが多いですが母子保健法では一年までとなっています

以上の条件は市町村によってまちまちなのでお住いの市町村のHPをご覧になったり直接保健センターにお問い合わせください。

事務所 鈴木助産院内
自費の場合

デイケアの基本料金

  • 一日1万5千円(2回授乳介助・乳房ケア・お部屋・昼食付)
  • 3回授乳介助の場合 割増料金となります。
  • マンツーマン体制で集中的に授乳練習をします。
  • 児はお母さんのご希望でお預かりすることも可能です。

本事業(公的制度+自費)を利用したママのケース

保健センターから情報をいただき妊娠中から制度利用を希望。母乳育児を希望して妊娠中からご夫婦で相談に何回か来所。実母はすでに他界。里帰りもできず、群馬に引っ越したばかりでご近所に知り合いもいない。ご主人も仕事が休めず産後のお手伝いが難しかった。総合病院で出産。妊娠中から乳頭が陥没だったので赤ちゃんが吸いついてくれるのか不安だった。無事に出産したものの。不安的中。一度も直接吸えず退院。ママはすっかり自信を失い「あの時、自分はどんな精神状態だったかわからない」と退院から当助産院に到着するまでの車中、意識がもうろうとして産後うつ状態だったとのこと。さっそく授乳介助して飲ませたところ、直接上手にのめたのです。ご主人は驚いて背筋がゾクゾクと震えたそうです。「母乳ケアだけでなく、私を母親にしてくれました、沐浴や赤ちゃんのお世話の仕方等体を休めながら助けられました」と後日お手紙をいただきました。本ケースは7日間入院。本来市の契約はデイケアだけでしたが状況を配慮して本人の希望で特別に宿泊型のショートステイで対応させていただきました。ママの希望通り完全母乳で育てることができました。

実際に当院の産後ケア事業でどんなことをしてくれるのか動画にアップしましたのでご覧ください。

その他にも利用したあるママが地元の新聞上毛新聞「広場」欄に「ありがたい子育て支援」を寄せました。(2015.6)

パパ出番ですよ!

新型コロナウイルス感染症禍、産後自ら命を絶つママが増えています。産後うつは出産したママの10人のうち1人がなるともいわれています。産後の体調や生活リズムの変化で引き起こされます。特に母親に負担になる「ワンオペ育児」は孤独な環境で時にはママにとってつらい子育てになってしまいます。子育てには家族や夫の理解と協力が重要です。2022年10月「産後パパ育休」という制度が新設され、自由な取得期間に変わりました。当助産院に相談に見えるママのパパが制度を利用する方が増えてきましたが、これからだんだんに普及されると思います。動画をご覧ください 動画③ 詳細は厚生労働省のHPをご覧ください。

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